コロナを通して感じる心の消失。ユーモア溢れるエッセイ『心はどこへ消えた?』

文芸春秋BOOKSより引用

コロモー
コロモー

ドコドコドコドコ……

エビフライ
エビフライ

今日のコロモーは忙しそうに走り回っていますね。

エビフライ
エビフライ

いつも通りと言えばいつも通り。

エビフライ
エビフライ

放っておきますか……

コロモー
コロモー

ちょーっと待ったー!!!

エビフライ
エビフライ

ああ、コロモ。

コロモー
コロモー

今のコロモーの気持ちに興味はありませんか?

エビフライ
エビフライ

押しつけがましい……

エビフライ
エビフライ

まぁ、嫌でも気にはなりますね。

コロモー
コロモー

よくぞ聞いてくれました!!!

コロモー
コロモー

コロモーは今、”心”を探しているのさ!♥️

コロモー
コロモー

そんな訳で今回は書籍「心はどこへ消えた?」を紹介するよ!

エビフライ
エビフライ

強引なこと極まりないですね……

エビフライ
エビフライ

まぁ、よろしくお願いします😥

タイトル『心はどこへ消えた?』
著者東畑開人
出版者文芸春秋
ページ数・時間文庫版:272ページ
単行本:256ページ
Kindle:227ページ
Audible:7時間27分
発売日文庫版:2025年2月5日
単行本:2021年9月3日
Kindle:2025年2月5日
Audible:2021年12月28日
値段文庫版:858円(税込)
単行本:1,650円(税込)
Kindle:850円(税込)
Audible:3,000円(税込)
Amazon文庫版 単行本 Kindle Audible

本の要約

コロナによって、皆どこか閉鎖的な気持ちになってしまった。心はどこへ行ったのだろうか。エッセイを書いていると、原因はコロナだけではない気もしてきた。臨床心理士の視点から見る現代の孤独とは。週刊文春で連載していた臨床心理士の東畑開人さんのエッセイをまとめた書籍。面白おかしく、”心”について考えさせられます。

読んでみた感想

コロモー
コロモー

まず、この本の魅力はエッセイであること!

エビフライ
エビフライ

魅力がエッセイであること?

エビフライ
エビフライ

なんか独特な捉え方ですね。

コロモー
コロモー

そんな難しい話しじゃないよ!

コロモー
コロモー

“心”って言う難しくて繊細な問題を、エッセイって切り口でユーモアを交えつつ語ってくれるから、

コロモー
コロモー

心理学とか全く知らなくても面白く読めるんだ!

エビフライ
エビフライ

なるほど。

エビフライ
エビフライ

確かに“心”って、根底から理解しようとすると奥が深すぎますね。

エビフライ
エビフライ

難しく考えずに読める作品なら、エビフライは何でもかかってこい!って感じです。

本業だと疑うほどの文章力!

コロモー
コロモー

特に語りたいのは筆者・東畑開人先生の文章力なんだ!

コロモー
コロモー

通称バジー先生は臨床心理士なんだけど、

コロモー
コロモー

作家が本業なんじゃないかってくらい文章を書くのが上手いのだ!

エビフライ
エビフライ

臨床心理士ってカウンセリングとか大変そうですもんね(無知)

コロモー
コロモー

その文章術、本書の最後の解説に「サーカス」って揶揄されているんだけど、

コロモー
コロモー

コロモーも、まさにピッタリの響きだと思ってるんだよね!

エビフライ
エビフライ

……と言うと?

コロモー
コロモー

詳しくは本書を読んでもらいたいんだけど、

コロモー
コロモー

最初の「入口の変身物語」とか、最後の小さなサプライズとか、

コロモー
コロモー

エッセイでありながら、1冊の本としての構成も練られていてびっくりだ!😮

エビフライ
エビフライ

エッセイは素人の目から見ても、1冊にまとめ上げるのは難しいと日ごろ思って生きています。

エビフライ
エビフライ

忙しいであろう本業をこなしながら、構成がしっかり練られた1冊を生み出すのは尊敬のほかありませんね。

コロモーに革命が起きた新発見「超自我」

コロモー
コロモー

コロモーはこの本を通して「超自我」なるものを覚えたよ!

エビフライ
エビフライ

超自我……?

エビフライ
エビフライ

どこか厨二病心をくすぐる響きですね(笑)

エビフライ
エビフライ

どういう意味なんですか?

コロモー
コロモー

この超自我について、本書では「心の中の上司役」と言いまわしているよ!

(中略)こういう自分で自分を責める声のことを、心理学では「超自我」と呼ぶ。超自我はだれの心にも存在していて、私たちに「こうするべき」と規範を提示するものでもあり、「よくできた」とか「全然ダメだ」と価値判断をするものでもある。いわば、心の中の上司役だ。

p65より一部抜粋

コロモー
コロモー

みんなも「〇〇すると失敗する」とか「〇〇しない方が良い」みたいな、

コロモー
コロモー

行動を阻害してくる心の中からの批判って経験があると思う。

エビフライ
エビフライ

それが超自我という訳ですか。

エビフライ
エビフライ

もちろんエビフライも、このような経験は数えきれないほど身に覚えがありますね。

コロモー
コロモー

そう、自分自身が自分に向かって批判してくるのって厄介なんだよね~。

コロモー
コロモー

そんな悩みを本書では、現実はもっと優しいって教えてくれるんだ!

エビフライ
エビフライ

現実はもっと優しい……!

エビフライ
エビフライ

言われてみれば確かにそうですね。

エビフライ
エビフライ

超自我から来る批判って、いつも最悪のケースであることが多い気がします。

コロモー
コロモー

そう!

コロモー
コロモー

想像よりも、実際は何とかなった!みたいなケースばっかりだ!

エビフライ
エビフライ

学問の勉学も大事ですが、

エビフライ
エビフライ

こういう社会を生きるための豆知識みたいなのこそ欲しくなる瞬間もありますからね。

エビフライ
エビフライ

コロモーに教えてもらって、エビフライ自身も活用していきたいところです!

コロモー
コロモー

それは良かったコロモー!🍤

バジー先生のユーモアにみんな魅了される!

コロモー
コロモー

実は”超自我”が語られているエピソードってすごく短いんだけど……

エビフライ
エビフライ

そうだったんですか!?

エビフライ
エビフライ

コロモーの長ったらしい説明のおかげで、これがメインテーマと言わんばかりだと思っていました……

コロモー
コロモー

説明が下手で悪かったコロモーね……!

コロモー
コロモー

結局、コロモーが伝えたいことは、

コロモー
コロモー

どのエピソードも優しさとユーモアで背中を押してくれるってコト!♥️

コロモー
コロモー

友達同士で読んだら、好きなエピソードがバラバラになるかもしれない……!

コロモー
コロモー

自分が何気なく読んだエピソードが、友達からしたらコロモーの超自我のように心動かされているかもしれない!

エビフライ
エビフライ

その気持ちの循環はまさに”心”を現わしていますね。

コロモー
コロモー

それもバジー先生の文章の魅力だと思うんコロモーね~!

コロナ本であり、コロナ本ではない

コロモー
コロモー

この本の魅力をもう一つまみ……

コロモー
コロモー

それは「コロナ本であってコロナ本ではない」ことなのだ!

エビフライ
エビフライ

……それって魅力なんですか?

コロモー
コロモー

よくぞ聞いてくれました!

コロモー
コロモー

この本は週刊文春で連載していたエッセイをまとめたものなんだけど、

コロモー
コロモー

バジー先生は最初、コロナで心が消えてしまったことについて書いていたんだよね。

エビフライ
エビフライ

密を避けたりリモートワークだったり、

エビフライ
エビフライ

コロナ期間は人と人との繋がりが薄くなっていた時期でしたね。

コロモー
コロモー

そうなんだ……😢

コロモー
コロモー

でも連載を続けているうちに、バジー先生は「コロナが原因ではない?」って疑問を持ち始めるんだ。

エビフライ
エビフライ

なるほど……?

コロモー
コロモー

そこからテーマは「心はどこへ消えた?」に切り替わる……

コロモー
コロモー

実は、最初はバジー先生自身も違うテーマで書いていたのだ!

エビフライ
エビフライ

だから「コロナ本でありコロナ本ではない」に行き着く訳ですか。

コロモー
コロモー

当初のコロナ本から一変、バジー先生自体の気づきも相まって、

コロモー
コロモー

読み手としてより親身に感じやすくなったんだよね!

エビフライ
エビフライ

起承転結で言えば、“承”の部分。

エビフライ
エビフライ

実際に起承転結を1周した後で生まれた、新しい問題についての深堀り。

エビフライ
エビフライ

読者をバジー先生の世界観へ引き込むのが上手いですね。

コロモー
コロモー

そう、それが伝えたかったのだ!

コロモー
コロモー

だからこそ「コロナ本であってコロナ本ではない」ことが魅力とも言えるのだ!!!

自分のことだけど他人事「非私」

コロモー
コロモー

もう一つ印象的だったのは「非私」って概念!

エビフライ
エビフライ

またまたヘンテコな単語ですね。

エビフライ
エビフライ

一体全体どういう意味なんですか?

コロモー
コロモー

これまた素晴らしい!ってなる考え方なのだ!

コロモー
コロモー

本書で妖怪ウォッチの「ようかい体操第一」を例に挙げてるんだけど、

コロモー
コロモー

「妖怪のせいなのね」ってリリックは有名だよね。

エビフライ
エビフライ

リリックって言い方、やかましさを感じさせますね。

コロモー
コロモー

妖怪のせいにすれば気が楽じゃん!

コロモー
コロモー

って考えを応用して、

コロモー
コロモー

脳で考えていることは他人事とも捉えられるよね!

(中略)脳とは他者なのだ。もちろん身体的には、脳は「私」の一部分でもある。だけど、それはあくまで物質であるから「非私」でもある。脳のせいなのね。妖怪や天気と同じで、「私」だけでは抱えきれない心は、「非私」に置かせてもらえると助かる。

「心はどこへ消えた?」p209より一部抜粋

コロモー
コロモー

っていうのがバジー先生の根性論!

エビフライ
エビフライ

だいぶ苦しい言い訳味は感じますが……

エビフライ
エビフライ

もしも心へ攻撃を許してしまっても、逃げ道もあるよって考え方はアリですね。

おわり

この記事のまとめ

  • 心はどこへ消えた?
  • 「非私」という概念
  • まさにサーカス
  • コロナ本でありコロナ本ではない
  • 超自我
  • バジー先生の表現力
コロモー
コロモー

難しそうなタイトルとは一転、面白おかしくユーモア溢れるバジー先生のエッセイ!

コロモー
コロモー

臨床心理士から見た”心”の在り方……

コロモー
コロモー

そっと背中を押してくれるような一冊です!!!

エビフライ
エビフライ

人間関係が苦しい思春期新社会人の方には特にオススメしたいですね。